2日目その1:
草原と洞窟、バイソンの群れ!
カスター→ウィンドケイブ国立公園→カスター州立公園 (1999/7/4その1)
朝、Best Westernの敷地内にあるレストランCaptain's Specialで朝食。支払いはレジで行う。
昨日舗装されていない道路を走ったせいで、車が汚れている。出発前に、フロントにボロタオルをもらいに行く。
部屋にあった案内に、「車を拭くのに部屋にあるきれいなタオルを使わないで、フロントに古いタオルがあるから言って来て」
と書いてあったのだ。タオルがほしいと言うと、よく言って来てくれたねと、喜んでくれた。ひとつを水に濡らしてもらう。
車をきれいにして、9時に出発。ウィンドケイブ国立公園の鍾乳洞へ向かう。National Parkのホームページに、
ウィンドケイブは昼から混むと書いてあったので、朝のうちに行っておくことにする。緑きれいな草原の中を走り、
9時50分頃ウィンドケイブ国立公園のビジターセンターに到着。周りは緑の丘と草原で、大きな鍾乳洞があるようには見えない。
10時からのツアー(ナチュラルエントランス)に参加する。一人$6。日本人だと言うとレンジャーのお姉さんが日本語の
パンフレットを渡してくれた。階段を降りて、ビジターセンターの建物から外に出て少し歩いたところに小屋のような
待ち合わせ場所(シェルター)がある。空は晴れ、さわやかでのどかな雰囲気。10時までには20人くらい集まった。
やってきたガイドのレンジャーはBinaというお姉さん。どこから来た、ここは初めてか、他の鍾乳洞は行ったか、
などいろんな質問のあと、ウィンドケイブ国立公園の説明が始まった。
その昔(1881年)、このあたりで遊んでいた少年の帽子が風に飛ばされ、地面に開いた小さな穴から強い風が
吹き上げているのに気付いたという。これがその穴の下に広がる広大な鍾乳洞を発見したきっかけだそうだ。
まずはその歴史的な穴を見に行く。穴は石で囲まれた中にあった。言われてみないと、これが鍾乳洞と
つながっている穴だとは気付くかないほどの大きさだ。鍾乳洞の中と外部の気圧の違いにより、時間帯によって
風が吹き出したり、逆に吹き込んだり、風向きや強さがかわるそうだ。
レンジャーさんの説明が終わって、一人ずつ穴の近くまで行って手をかざしてみる。
今は緩やかな風が穴の中に向かっている。
それにしても、このような周りに人家も何もない人里離れた場所で、その昔少年が遊んでいたって、ホントかな。
ビジターセンターの方に歩いて少し戻ったところに人間が通る入り口が作られていて、そこからいよいよ鍾乳洞の中へもぐる。
入り口の扉から中に入り、狭い階段を降りる。ひんやりしていて気持ちがよい。
この鍾乳洞の特徴は、壁面が網目というか、蜂の巣のようになっている、ボックス・ワークという形成物だそうだ。
天井や壁が一面ボックス・ワークとなっている、ポストオフィス(郵便局)と名の付いた部屋がある。
ボックス・ワークのひとつひとつが郵便物入れということだ。なるほど。
ウィンドケイブの洞窟の長さはアメリカで3番目だそうだが、洞穴内の空間の大きさという点では、
去年行ったニューメキシコのカールスバッドよりもずいぶん小さい。
少し歩いては立ち止まり、レンジャーさんがいろいろな説明してくれる。カールスバッドの時と同様、
途中で洞窟の中で電気が消され、暗闇を体験する機会があった。昔、この洞窟を探検した人の苦労話などは
カールスバッドと共通するところがあるが、今のように電気もなく、何も整備されていない洞穴を、
蝋燭だけに頼って探検するというのは、考えるだけで恐ろしい気がする。自分にはとてもできない。
1時間半ほどでツアーが終わった。帰りはエレベータを上がって地上まで上がる。人数が多くて一度に乗りきれず、
3回に分けて乗ることになった。洞窟は何層かになっているようで、エレベータに同乗した別のツアーの一行
(松葉杖をついたお兄さんを含むご一家)は途中の階(これも洞窟の中)で降りていった。
外に出ると、建物の中で、別のツアーの人々が出発を待っていた。建物を出て、草原の小道を歩いて
ビジターセンターまで戻る。外は暑い。タンポポの花が散った後に白い綿帽子のようなもの(冠毛というらしい)が出来るが、
その巨大なものがある。握りこぶしくらいの大きさがある。
ビジターセンターに到着し、中の展示物を少し見学。ウィンドケイブ国立公園は、洞窟以外にも地表にも
自然が豊富だそうだ。ここで、バッファローというのはアジアにいる野牛のことで、アメリカにいるものは
バイソンと呼ぶのが正しいということを知る。なるほど、そういう違いがあったのか。これからはもう
バッファローとは呼ばないことにしよう。
ウィンドケイブを離れ、車でホットスプリングスに向かう。ホットスプリングに近づき、最初に見つけたコンビニに入る。
何か買って昼食にしようと思ったが、どうにもおいしそうなものがない。日本のコンビニならお弁当でも何でもあるのに。。
とりあえずお菓子と、旅行に持って来るのを忘れた髭剃りだけを買って、町へ向かう。
ホットスプリングスはちょっと古い建物もあり、少し歴史がありそうな町並みだ。映画館もある。
古き良きリゾート地といったところか。
何度か道を曲がって走っていると、ちょっと雰囲気のよさそうなレストランがあったので、そこで昼食をとることにする。
Elk Horn Cafe。レストランのオーナーが作っているユニークな新聞が置いてあって、その中にメニューが書いてある。
道路沿いのテラス席に座って、ハンバーガーとビザを食べることにする。味の方はまあまあ。
サウスダコタ州にやってきて思うこと。デブが多い。このレストランの中にも、いかにも不健康なアメリカ人と
いった感じの、胴回りの巨大な人がいる。サンノゼやサンフランシスコではこんなにデブは多くない。
食べ物が違うというよりは、都会人と田舎人の意識の違いなのだろうと思う。
レストランの支払いについて。アメリカではテーブルで済ませるのが普通と思っていたが、ここサウスダコタでは
どのレストランも日本と同じように、帰り際にレジで支払うことになっているようだ。ふたりで$21.17。
レジのお姉さんが何か話し掛けてきたので、「これからカスター州立公園に行くんだ」と言うと、
「きっと気に入るよ」と愛想よく答えてくれた。「またこのあたりに来ることがあったら立ち寄ってね」。
外は暑い。日差しも強い。停めた車の中は灼熱地獄。でも、意外と汗はかかない。
来た道を戻ってカスター州立公園へ向かう。アメリカ最大規模のバイソンの群れがいるそうだが、
バイソンはたいてい朝か夕方にしか現れないので、この暑い昼間に出会えるかどうか。385号を北上、87号に入る。
道の両側には起伏に富んだ緑の草原が遠くまで広がっており、景色はまるでゴルフ場さながら。途中に展望台もある。
ワイルドドライブループ(Wildlife Loop)へ入る交差点におばさんが何人かいて、通る車からカスター州立公園の
入園料を徴収している。炎天下、たいへんそう、ご苦労さま。カスター州立公園の入園料はひとり$3。
ふたり分の入門証を2枚、おばさんが車の中に手を伸ばしてフロントガラスの内側にシールでペトッと貼りつけた。
少し走ると、前方に車が何台か止まっている。ということは。。。あ、いたいた、バイソンだ、バイソンの群れだ。
暑い中、数十頭ものバイソンの群れが草を食べている。壮観だ。
遠くからしばらく眺めた後、バイソンの群れに近づくため、砂利道に入る。道の両側の地面にはプレーリードッグがいる。
あちこちの穴から顔を出してはあたりをキョロキョロし、すぐに穴にひっこむ。シャッターチャンスをつかむのが難しい。
警戒心の強い動物だ。バイソンに穴を壊されたりしないのかな。
バイソンの群れのすぐ近くまでやってきた。車が数台先に来て止まっている。
ブルルンブルルンというバイソンの鼻息が聞こえる。背中に小鳥を乗せて歩いているもの、毛が中途半端に抜けて、
いまひとつ格好がつかないもの、車のすぐ近くをのっしのっしと歩いて、砂利道を横断して行くものもいる。
あまり車のことは気にしていないようだ。
しばらくバイソンの群れに囲まれて時間を過ごして、さあ出発だ。バイソン君、元気でね。
緑の景色の中、ワイルドドライブループを走る。日差しが強い。道の脇でロバのような馬のような動物が
寝そべっているのを発見する。「進ぬ!電波少年」=普段サンノゼで見られるテレビの日本語放送は限られているので、
休みの日などは日本人相手のレンタルビデオ店で日本のテレビ番組を借りて来て見ているが、
その中のお気に入り番組のひとつ=に出てくる人気者のロバ、ロシナンテとそっくりだ。
車を停めて眺めていたら、ロシナンテは立ち上がって道路の真ん中に歩いて出て来た。
これには通る車も最徐行せざるを得ない。すると、車から手を出してエサをやるやつがいる。
大ばか者!野生の動物にエサをやるな!馬鹿タレ!ロシナンテが車道から出て行くのを見送ってから、先に進む。
カスター州立公園のビジターセンターが右手に出てきた。小屋のような、こじんまりとした建物だ。
中に入ると、お姉さんがひとりだけ机に座っていて、笑顔であいさつしてくれた。
やっぱり州立公園でも、国立公園のレンジャーさんと同じで、とても愛想がよい。
馬のようなロバのようなやつを見たというと、それはBurroという動物だと紙に書いて教えてくれた。
4時ごろ、ワイルドドライブループが終わる。この後、デビルスタワーに向かうか、バッドランズに向かうか、
まだ決めていなかったが、暗くなるまで少し時間があるので、今日中に遠い方のデビルスタワーに行くことにする。
36号から79号に入って北上、ラピッドシティを通過し、高速90号を西へ向かう。ガソリンが無くなってきた。
デビルスタワーに行く前に給油しないと。