1日目:
いよいよグランドサークルへ出発!
サンノゼ→ラスベガス→グランドキャニオン (1997/12/27)
朝5時半、夜明け前。愛車アコードくんでサンノゼ空港へ出発。もう一台の愛車、ジオくんはお留守番。
荷物はふたりでスーツケースが二つにリュックが二つ。さすが12月も末となるとサンノゼといえど冷え込んで、
空港の長期駐車場に停まっている車には霜が降りている。車を長期駐車場に預けて、
7時10分発サウスウェスト航空1347便で一路ラスベガスへ向かう。ラスベガスへは1時間10分。
料金は往復でひとり$180。ここのスチュワーデスさんは一応航空会社のマークが入ったTシャツを着ているが
各自自前のラフな格好をしている。中にはジーンズの人もいて、旅行者なのかスチュワーデスさんなのか、
一目見ただけではわからない。機内では、ペコさんはオレンジジュース、ぼくは温かい紅茶をいただいたあと、
ふたりともずっとラスベガスまで眠っていた。
ラスベガス到着前に目が覚めた。よく言われることだが、まさに砂漠の中に突然ラスベガスが出現する。
写真で見ていたような特徴あるホテルの数々が空の上からもよく見える。
さすがギャンブルの街、空港にもスロットマシーンがたくさん置いてある。預けたスーツケースが出てくるのを待つ間、
¢25のマシーンで2回トライしてみるが、結果マイナス¢50。
スーツケースを受け取ってレンタカー(Airport Rent-A-Car)の手続きへ。空港のカウンターで手続きした後、
近くの駐車場まで送迎バスで送ってもらう。旅行中長い距離を走ることになるので、一応ちょっとグレードの高い車に
してもらうよう予約をしてはいたが、貸してもらった車はなんとアメリカの高級車の代名詞にもなっているキャディラック。
シートも高級そうな皮、すべてが電気仕掛け。何よりも、でかい、でかい。これが一週間$220。すごく安い気がする。
ちゃんと運転できるやろか?という不安とそれ以上に、キャディラックと言えどアメ車、砂漠の真ん中で故障して
止まったりせーへんやろか?という不安の中、いざ出発。興味津々の街、ラスベガスにはまた一週間後に帰って来るとして、
一路グランドキャニオンへ。
さすがキャディラック、いくらスピードを出しても全然揺れない。時速75マイル(120km)にオートクルーズをセットして、
広大な荒れ地の中をフーバーダム・ミード湖へ向かう。
1時間ほどでフーバーダムに到着。フーバーダムは、コロラド川の氾濫を防ぎ、砂漠地帯の灌漑、電力の供給を目的に、
1935年、日本で言えば昭和10年頃に作られたもので、当時建設推進に力を注いだフーバー大統領にちなんで名付けられている。
せき止められてできた人造湖がミード湖である。これから行こうとしているグランドキャニオンの下流にあたる。
30分ほどのツアーに参加して、ダムを見学、説明を受ける。世界土木の7大不思議に選ばれたということだが、
確かにでかい。戦前にこのような巨大構造物を作ったアメリカのパワーが感じられる。
このフーバーダムが、ちょうどラスベガスのあるネバダ州とグランドキャニオンのあるアリゾナ州との州境。
時差があるので時計を一時間早め、先が長いので急ぐことにする。グランドキャニオンまでは砂漠が続く。
砂漠とはいっても、冬には雨も降るようで、ところどころに草は生えている。見渡す限り使用価値のほとんど
なさそうな広大な荒れ地が広がっている。対向車線がはるか向こうに見える。
途中キングマンという町の「バーガーキング」で昼食をとり、ひたすら走る。ちなみにアメリカでは国内至る所に
マクドナルドやバーガーキングといったハンバーガーショップがあるが、日本人にはマクドナルドよりバーガーキングの
方がおいしいという意見が多いようだ。
グランドキャニオンに到着したときには既に日は暮れてしまっていた。入口(ゲート)でアメリカの全国立公園共通パス
(一年間有効$50)を購入して入園。かなり暗くなってしまっているが、マーサポイントに行く。残念ながらあまりよく
見えないが、なんかすごそう。明日に期待して、本日宿泊予定のヤバパイロッジへ行くことにする。
ロッジで小トラブル。電話で予約していたのだが、ロッジの方にはその記録がないとのこと。出発前に電話で予約を
しており、しかもその後ロッジから家に予約を確認した手紙が届いており、それを持っていたので何も慌てることは
なかったが、それを見せてもロッジ側のコンピュータに記録がない、わからないとのこと。なんだこれは。
アメリカではこういう「手続き」に関するトラブル、信頼性のなさにあきれることがよくあるが、
今回はあまりにもお粗末だ。幸い空き部屋があったので、問題なくチェックインはできたが、先行きが思いやられる。
ロッジとは言うものの、冷暖房完備・バス・トイレ付き・食事なしという意味ではホテルでもモーテルでもロッジでも
仕組みは皆同じ。各部屋のドアが建物の中にあるのがホテル、部屋のドアを開けるとすぐ外になってその前に車を
停められるのがモーテル、ロッジとモーテルは似たようなものだと思うが、自然の環境の中にあるのをロッジというの
だろうか。
宿泊料金について。グランドキャニオンでは一泊$98だった。これは国立公園の中にあるからこの値段になるのであって、
周辺の町のモーテルではこの半分くらいの値段のようだ。アメリカでは一部屋いくらという値段になるため、一人で
泊まっても二人で泊まっても、また小さな子供連れで泊まっても、一部屋で泊まる限り値段はほとんど同じ。
この点はふたりで旅行する者にとってたいへん助かる。
夕食は国立公園内のステーキ屋さんArizona Steakhouseへ。混雑していて1時間くらい待つ。日頃アメリカ肉のレベルの
低さに悩まされており、また観光地のレストランということもあって、全く期待していなかったのだが、まあまあ
食べられるレベルのお肉が出てきて、満足。
帰りに外を少し歩く。ちょっと寒い。でも夜空が素晴らしい。今まで見たこともないほどのたくさんの星が輝いている。
この星を見るだけでもグランドキャニオンに来る価値があるのではないかと思うくらい、見事な夜空だ。
明日は日の出前に起きて朝日のグランドキャニオンを見ることにする。就寝。