2日目:
感激!絶景グランドキャニオン!
グランドキャニオン一日観光 (1997/12/28)
朝早起きして、グランドキャニオンの朝日を見に行く。日の出が7時36分ということだったので、5時半起き、
6時半に行動開始。グランドキャニオンの朝は寒い。アメリカでは気温は摂氏(°C)はなく華氏(°F)で表すので、
28°Fと言われてもピンと来ないがこれは氷点下2°Cくらいにあたる。キャディラックくん、
エンジンはうまく始動するのか、と心配したのも杞憂に終わり、無事始動。それどころかスイッチを入れると
普通の暖房だけではなく、シートも暖まってくる。また暗いときは行きたい方向に電気が点いて外を照らす。
右折する時は車の右側に照明が点き、バックする時は後ろが照らされる。トランクも手で軽く閉めると途中から
電気仕掛けで閉まって自動的にロックがかかる。さすが高級車だ。
ロッジから5分ほどでヤバパイポイントに到着。朝日が出るまでしばらく待つ。厚着して、マフラー、手袋をしてきた
甲斐があり、強い風の中もなんとか大丈夫。寒いけど。
空が白み始めた頃、壮大なグランドキャニオンが姿を現してきた。すごい。でかい。美しい。何でこんなものができたのか、
自然のすごさを感じる。さすが世界有数の観光地と言われるだけのことはある。太陽があまり高くならないうちに、
他のポイントもいくつか回る。どこから見てもやっぱりきれい。
それにしても日本人の多いこと。海外旅行のバイブル「地球の歩き方」に、「グランドキャニオンは朝日と夕陽がきれい」
と書いてあるからなのか、朝も早くから、どこのポイントに行っても日本人がいる。この旅行中何人かの日本人と話をしたが、
日本から旅行で来ているのではなく、こちらに住んでいる人がほとんどだった。自分たちも同じ立場であり、
駐在員の数などを考えれば当たり前のことかもしれないが、新しい発見だった。
グランドキャニオンは、大昔海だったところが隆起してできた地層を、コロラド川が悠久の年月をかけて削り取った
文字通り大きな峡谷。車で行けるのは峡谷の上(谷の縁=リム)で、リムにはいくつものビューポイントがある。
観光客はそのビューポイントから眼下に広がる雄大な景色を見ることになる。幾重にも積み重なった地層の色の違いが
なんとも特徴的だ。川を挟んでほぼ対称の形になっていてので、対岸のリムに立って峡谷を見ても同じような景色を
見ることができるはずだ。谷の下に降りていくハイキングコース(トレイル)もいくつか用意されている。谷を降りて
コロラド川までたどり着くまでだけで一日仕事だということだ。
カフェMaswik Cafeteriaで朝食をとり、スーパーマーケットで水と軽食を購入、ビジターセンターで天気予報を
確認してからいざトレイルへ。ブライトエンジェル・トレイルを歩いて降りる。雪がいっぱい残っているので心配だったが、
途中ペコさんが一度しりもちをついたものの、気をつければ十分歩ける道だ。たくさんのハイカーが歩いている。
すれ違うたびに「ハイ(英語のHi!)」。ほとんどみんな友達のように返事をしてくれる。ここは暖かい時季には
ミュールという馬のような動物に乗って下ることができるらしい。
降りていくと地層が変わっていくのがわかる。岩の色が、あるラインを境に突然変わる。遠く対岸に見える地層の
区切りと同じものを間近で見ることができて、面白い。
上を見上げると今にも倒れてきそうなくらいに、岩が壁のようにそびえている。その一方、遠く眼下に見える
コロラド川には降りても降りてもなかなか近づかない。グランドキャニオンの大きさを実感する。1時間半くらい
降りて一服し、来た道を戻ることにする。
「峡谷内の温度が高くなってたいへん危険、水場もほとんどないため飲料水をたっぷり持っていくように」という警告が
しつこいくらいあちこちに書いてあるが、それは夏場のことで、冬はそういう心配はほとんど必要ないようだ。
2本買った水も1本しか飲まずに済みそうだ。
下りは快調だったが、登りはやっぱりしんどい。何度も休憩しながら、行きの倍近い時間をかけてようやく出発点に
たどりついた。
その後、暗くなるまで車でいくつかのビューポイントを見て回った。どこのポイントに行っても難なく駐車できたが、
夏場の写真などを見ると混雑してたいへんのようだ。アメリカではクリスマス期間だけではなく、年末年始も
(日本ほどではないにしても)多くの人は休暇中のはずだが、アメリカ人は冬に旅行する習慣がないのか、
この期間中どこに行っても混雑して困るようなことがなく、また宿泊費も安く(夏場はどこも倍くらいの値段になるようだ)、
たいへん得した気分になった。
朝食をとったカフェでセルフサービス式の簡単な晩御飯を食べて、明日もう一度朝日を見るため早めに就寝。