Kamo mini
 3日目: おぉぉぉーでかいぞ!モニュメントバレー!
 グランドキャニオン→ペイジ・レイクパウエル→モニュメントバレー (1997/12/29)
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 朝早起きしてロッジのチェックアウトを済ませ、闇の中を出発。今日はまた別のビューポイントへ向かう。 車がなくては行けないポイントばかりで、車のありがたみを感じる。ヤキポイントで朝日を見て、イーストリム方向の、 車で行けるすべてのビューポイントを回る。

 デザートビューでは石造りのウォッチタワーに登る。機械に¢25を入れ、土産物屋の片隅にある階段から中へ入る。 愛敬のあるインディアンの壁画が書かれていて、ほのぼのとした気持ちになる。その後東口からグランドキャニオンを 後にする。

 相変わらずキャディラックくんは絶好調。高級車で快適なドライブ。景色も最高。崖あり、岩あり、谷あり。 遠くには雪を頂いた山々の峰が連なり、まさに雄大そのもの。グランドキャニオンから離れたこの辺りは、 ガイドブックには紹介されていないものの感動的な風景のオンパレードだ。途中でビューポイントの標識が出ていたので 行ってみることにする。インディアンさんたちが民芸品を売っている中を通って行くと、コロラド川を見下ろす崖の上に出る。 荒々しい崖の岩をすぐ間近に見ることができ、グランドキャニオンとはまた別の感動がある。 こんなにすばらしいところなのに、観光ガイドのどこにも載っていない。やはり交通の便が悪いからだろうか。

 地図にカメロンという町の印があったので、その町でハンバーガーでも食べて朝ご飯にしようと思っていたところ、 その町はインディアンの集落。とてもハンバーガーショップがあるような町ではなく、食事はレイクパウエルまで お預けとなる。途中一応ガソリンスタンドがあり給油した。店員さんはインディアンさんだが英語はちゃんと通じた。 そういう片田舎のガソリンスタンドでもコンビニが併設されていて一通りのものは売っていて、クレジットカードも ちゃんと使える。トイレも水洗で、石鹸も付いていればお湯も出る、手を拭く紙、手の乾燥機も付いている。 アメリカではこういう田舎でも生活のレベルは都会とあまり変わらない。つまり物質的な豊かさが田舎にまで 浸透しているようだ。日本と比べたときにアメリカの方が「先進国」だと感じる点のひとつに、このような近代文化の 浸透の程度があると思う。

 快調に走っていたところ、突然トラブル。前を走っていた車が跳ね上げた小石がフロントガラスに当たりヒビが入った。 ヒビは外側だけで、ガラスが割れる恐れはなさそうだ。こういうこともあろうかとレンタカー屋では車両保険にも 入っていたのでそれが早速役立ったと、安心して走っていた(が、後にこの安心が間違いであったことがわかる・・・)。

Lake Powell
 予定通り昼前にレイクパウエルの手前の町、ペイジ到着。ピザハットでピザを食べる。ここから10分ほどで、 レイクパウエルに到着。

 レイクパウエルは、グレンキャニオンダムによってコロラド川がせき止められてできた人造湖。 グランドキャニオンの上流にあたる。夏場はモータボートや水上スキーで賑わうようだ。 天気もよく、ココアパウダー色の岩と、青い空、湖のコントラストがとても美しい。ビジターセンターを見学して、 モニュメントバレーに向かって出発。

 延々とドライブ。広大な荒れ地が続く。土地が有り余っている。たまに牛、馬を見るもあるが、ずーと、ずーと、 何にもない。ドライブのお供に、サンノゼから持って来たせんべいを食べる。バリバリ。キャディラックとしょうゆ風味の せんべいの組み合わせが何とも不釣り合い。でもおいしい。

 2時間ほど走ってケイエンタの町に到着。お目当てのバーガーキングがありちょっと休憩。地球の歩き方にも紹介して あったが、ここのバーガーキングには太平洋戦争中にこの辺りのインディアン、ナバホ族の人々がアメリカ軍の暗号部隊と して活躍した様子を示す新聞記事が展示してあった。日本語の記事も多く、当時の日本人の生活の様子も紹介されている。 地元に住む日本人の手で展示されているようだが、なぜ日本人がこの町にいるのか、なぜハンバーガー屋に展示されて いるのかよくわからない。

 バーガーキングではオレンジジュースを入手。アメリカの食べ物の中で誉めてよいのはオレンジジュース。 どこへ行ってもおいしいジュースが安く手に入る。

 近くのガソリンスタンドで給油。人懐っこく近づいてきたイヌくんに、ペコさんがお菓子を配給。イヌくんうれしそう。 給油が終わって出発しようとした所、なんと物乞いのおじさんが近づいて来てポテトチップスをくれドルをくれと、 ブツブツつぶやいている。怖いので相手にせずに急いで出発する。

Monument Valley
 しばらく走ると突然広大な砂漠の中にそびえたつ巨大な岩の塊がいくつも出現。おお、モニュメントバレーだ。 すっ、すごい。西部劇のようだ。

 まずは本日の宿泊先、モニュメントバレー唯一の宿、ゴールディングス・ロッジに行く。ここは一泊$72。 チェックインして部屋に入る。ロッジの部屋の窓からもこれから訪れるモニュメントバレーの岩のいくつかを遠くに 見ることができる。荷物を部屋に置いて、期待に胸をふくらませ車でモニュメントバレーのビジターセンターに向かう。

 モニュメントバレーは他の国立公園と違い、原住民ナバホ・インディアン居留地内にあり、彼らによって管理・運営 されている。ここはかつてジョンフォード監督が映画「駅馬車」の撮影に使って有名になったという。 最近では「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」の撮影も行われたとのこと。

 ビジターセンターに到着。周囲には巨大な岩の塊がいくつも見える。そこからインディアンのおじさんが主催する ツアーに参加し、さらに近くから岩を見ることにする。自家用車で行ってもよいそうだが、凹凸のあるひどい荒れ地で、 とてもキャディラックくんが走れるような道ではない。ガンガンと砂煙をあげながら走るバンに乗って、 大きな岩を見に行く。

 ツアーのお客はわれわれふたりだけで、親切にいろいろ説明してもらう。台地のような大きなものをメサ、 細く縦長いものをビュートと呼ぶそうだ。来る前に写真を見て想像していたよりも、はるかに大きな岩の塊だ。 ビュートは高いものでは300mにもなるとのことで、つまり東京の高層ビル群よりもはるかに高い岩の塊が砂漠の中に いくつもごろごろと並んでいることになる。特に真下まで行くとその大きさがよくわかり、なんでこんなものが できたんだろうと不思議に思う。それぞれのビュートには、「ミトン」とか「ゾウ」、「椅子に座る王様」、 「トーテムポール」など、その見た目の形からいろいろな名前が付けられている。ジョンフォードポイントと 名付けられたビューポイントもあった。

Monument Valley

 ちょうど日が暮れて暗くなるころに出発点のビジターセンターにもどってきた。イヌくんが3匹ほど付きまとってくる中、 車を出発させロッジに戻る。

 ロッジのレストランStagecoach Dinning Roomで夕食をとる。ナバホのしきたりか、アルコール類は予約をしておかないと 飲めないそうだ。ここにも日本人がたくさんいる。残念ながらあまりおいしくない。食後にちょっと土産物屋をのぞいてから 部屋に戻る。

 部屋では風呂でトラブル。お湯が出てこない。フロントに電話すると「みんなが同時に使っているから出てこないのだ、 もう少し待ってみるがよい」と平気で言う。許せん。いつまで経っても温かくなる気配もなく、仕方なく凍えながら水風呂に 入る。明日フロントでどんな抗議をしようか、頭の中で英作文をしながら就寝。



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